『結核』『頚椎椎間板ヘルニア』『ヘアカラー』後編

先日、 耳鼻科に行って総合病院の循環器内科に行くように言われたその日の午後には総合病院に電話をしていた。
 
「すみません、循環器内科にかかりたいのですが受付の曜日や時間を教えて貰えますか」
総合病院なら、大きいのだろうし、物事がすっと行くと思ったのだがここで受付の女性はこう言った。
 
「循環器科ですか?内科ですか」
「や、循環器内科に行くように言われたんですけど」
「ここには循環器内科というのはなく、循環器科と内科がありますので、循環器科でわからなければ内科にかかることもできますよ」
 
 
 
つまりあれだ、オムそばを食べろと言われたけどそんな1度で2度おいしいみたいな都合のいいのはやってなくて、オムライスで納得いかなければ焼きそばもあるよ、みたいな、つまり総合病院てのはフードコートのようなものなんだろ、と思って午後の受付を待ってから向かった。
 
まずは循環器科に向かう。
 
そしたら血圧とか測って心電図を取るように言われる。
 
心電図室でベッドに仰向けになり、服や下着をまくる。クリップみたいなのを付けて行くんだけど、私からはその様子が見えないからくすぐったくて笑ってしまう。看護師はそんなのはお構いなしにどんどんクリップを付けていく。
 
終わってまた循環器科に戻ると「異常はないですね〜頚椎椎間板ヘルニアをやっているなら整形外科で診てもらうといいでしょう」
と医師は告げ、あ、焼きそばじゃないんだ、と思う。
 
 
 
整形外科の前で待っていると「あいだみつをさ〜ん」と呼ぶ声が聞こえ、そっちを見る。まだ学生みたいだ。次に皮膚科の方で「たかはしまりこさ〜ん」と呼ぶ。派手目なお姉さんが入っていく。
 
なんだろ。耳鼻科で狐につままれたような気分を引きずったまま来たからそんな偶然があるのかなと思っていると「さいとうゆき・・」と聞こえ、ぎょっとすると「こ、さ〜ん」と聞こえ、なんだかほっとする。
理由はわからないけど1日に3人揃ったらやばい気がした。
 
 
 
私も整形外科に呼ばれ、レントゲンを取るように言われる。ほんとにフードコートみたいだと思う。
 
行った時間が遅かったからか、もうあがる医師と看護師とみられる男女4人がこれから飲みに行くみたいな、えーセンセ、今度私も〜とか聞こえる。ざっくばらんなところなんだなと思う。
 
レントゲンの結果は「少しヘルニア気味になっていて、痛いでしょう、わかります。湿布出しときますね」と言われてもう人がまばらになった総合病院の受付でお会計をして、その時にああ、ここの病院は立ち飲み屋方式ではないんだな、と思う。
 
 
 
そのあと薬局で湿布をもらう(ま、買うんだけど)時に「首痛めちゃったんですか〜お大事にして下さいね」とか言われる。
いや違うんですよ「目が回る」「寝っころがると目の前が銀色になって音が聞こえづらい」で、ガンゼンアンコクショウなんですよ、と思いながらもヘラヘラして「ありがとうございます」とか言う。
 
まあつまり私は、湿布をもらうために1日立ち飲み屋とフードコートをはしごした、というような気分になってなんだかわからないなあ、釈然としないなあ。
 
まあ、人生とは不条理なもんだし、楽しかったのでいいや。私ももうトシだし、よくわからない症状が出てもそれを100として頑張るしかないんだろうと無理に納得して首に湿布を貼った。