『結核』『頚椎椎間板ヘルニア』『ヘアカラー』前編

突然ですが私は空手をやっているのですが、稽古中に回ったり、まあもっと言えば首を回したり、そんな時に目が回る事があって困っていた。
 
師範にも「関東大会が近いから、治してから稽古した方がいいのでは」と言われてまずは耳鼻科に行ってみた。
 
 
耳鼻科に行くのは初めてで、入ってみると薄暗く音楽などもかかっておらず「大将、やってる・・・?」という感じで奥へ入っていった。患者は誰もいなかった。
 
受付の女性に問診票を渡され、書くように言われる。
問診票には「今まで大きな病気にかかりましたか?」というお決まりの質問があり、耳鼻科とはおよそ関係がなさそうな『結核』『頚椎椎間板ヘルニア』などがあり、チェックする。
 
そして一番下に『ヘアカラー』というのがあって混乱する。
 
「今まで大きな病気にかかりましたか?」→『ヘアカラー』
 
もしかして『ヘアカラーを美容院ではなく(まあ美容院でもいいけど)自宅でした際に耳に入ったかもしれない、それで耳の調子が悪い可能性がある』の略だったり、あるいは「ヘアカラーというのはみんな気軽にやっているけど、あれは害毒でしかなく、そんな事を耳鼻科の医師がおおっぴらに言うのは気が引けるから警告を兼ねて大きな病気の欄に入れた俺親切で物知り」と医者が思っている主張を書いたのかもしれない。ワクチン接種などと同じように危険な事なんだけど言いづらいから、みたいな。
 
つまり私は『結核』『頚椎椎間板ヘルニア』『ヘアカラー』に罹ったという事になった。
 
同時にパーマなどはいいのか?という疑問が浮かぶけど、きりがないので自分の中でスルーする。そのことは「今まで大きな病気にかかりましたか?」→『パーマ』という問診票に出くわしたら考えよう、と自分を鼓舞する。
 
いきなり問診票でどっと疲れる。スルーすればいいのだけど「神は細部に宿る」の精神で生活してるから見過ごせない。
まあでもヘアカラーもした事あるし丸を付ける。そして診察室に。
 
来院理由の欄には「目が回る」「寝っころがると目の前が銀色になって音が聞こえづらい」など書いていた。
 
診察では「どんな時に目が回るの?」と問われ「空手をやってるんですけど」と言うと「なに?今なんて言ったの?」とおじさんとおじいさんの中間くらいの先生が言う。「や、空手です。で、回ったり目を開けて首回したりすると気持ち悪くなったりして・・・試合もあるので」と言うと「寝っころがると目の前が銀色になって音が聞こえづらいのは、眼前暗黒症と言ってね」みたいな空手の話はいいんかい!みたいなのと同時にガンゼンアンコクショウという言葉の響に気をとられる。
 
とにかく検査しようってなって耳の中を見たり、瓶底みたいなメガネをかけて横見たり上見たりする。
 
「耳鼻科的には中耳や外耳、三半規管の機能が脳の中枢神経によって阻害されている。という訳ではないです」
 
ないんかい!すごい一生懸命話を聞いてしまったじゃないか、と思いつつ「この先生は英語が苦手だな」と思う。
「You are not〜」という言い回しをしない。
先生は続ける。
 
「一度、総合病院の循環器内科にかかって診てもらうのがいいです。内科と言っても循環器内科の他に神経内科や腎臓内科とか糖尿内科とかあるけど循環器内科ね」
 
と単語をいっぱい出す。この先生は名詞が好きなようだ。
 
礼を言って外に出ようとする。と「お会計お願いします」と診察室内で言われる。見るとこの病院は診察室を出て前の受付でお金を払うのではなく、立ち飲み屋などで見かけられる「揚げはんぺん」と注文して受け取る時に小銭を払う方式を採用しているらしく、驚く。
 
じゃあもうドア開けたら診察室でいいじゃんね。
 
耳鼻科だけでどっと疲れて、これから総合病院の事も書こうと思いますが、夜か明日になるかと思います。